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質問(理解と数式)

数式を使うかどうかは、ひとえに《読者のことを考える》という原則にあてはめて考えるのが一番だと思います。(続く)

#結城浩に聞いてみよう
https://ask.hyuki.net/q/20180504202628 https://t.co/GSirjzIMOA

数式を使わなければ伝わらない内容を、数式で示された方が内容を理解できる読者に対しては、数式を使う方がいいでしょう(当然)。逆に、数式を使わなくても伝えられる内容を、数式が苦手な読者に伝えるには数式を使わない方がいいですね(これも当然)。

可能性はあと二つありますな(苦笑)

数式を使わなくても伝えられる内容を、数式がある方が理解できる読者に伝えるにはどうしたらいいでしょう。まあ場合によりますけれど、「ご心配ならば、しっかり数式で書けばこうですよ」という付録を付ける手もありますね。

数式を使わないと伝えられない内容を、数式が苦手な読者に伝えるにはどうしたらいいか。これは問題であり、大きな挑戦でもありますね。(1)数式を使わず済ませてしまう方法は、理解のずれを許容しなくてはいけなくなります(程度問題)。

(2)数式を使うけれど、数式以外の説明も用意して読者にまかせる方法もあります。これはなかなか悪くありません。というのは同じ内容が二回書かれますので、理解の確認にもなるからです。数式のみってことはありませんので、(2)になることは多いでしょう。

(3)先ほどの(2)に加えて、数式の読み方や理解の仕方も伝えてしまうという方法もありますね。「数学ガール」シリーズはどちらかというと(3)になると思います。

念のため補足しておきますが、数式を使ったからいい、数式を使わなかったからわるいというものではありません。読者に必要なことが伝わるかどうかが大事なのです。数式に限りません。文章の書き方、図の使い方、プログラムの出し方……すべて、読者に伝わったかどうかが命です。

その内容を、その読者に対して伝えようとするときに、適切な手段を選ぶというのが大事になるのですね。あたりまえのことですけれど、文章・数式・図・プログラム・……文書のさまざまな構成要素すべては、読者に伝えるというミッションを果たしてこそ生きるのです。

それを一言で表しているのが、結城がしょっちゅう語っている《読者のことを考える》という原則です。結城はこの原則ひとつをしっかり握って、この四半世紀、本を書いてきました。自信を持ってあなたにもお勧めいたします。

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2018-05-04 (Fri) 20:27:33