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(大人が数学を勉強するのにおすすめの本)

どういうレベルの勉強かで全然違うのですが…まず、数学ガール的な本はありますね。それから、学習参考書って意外と楽しいと思っています。チャート式みたいなので、数式いじって遊ぶ。(続く)… https://twitter.com/i/web/status/951460338913849344

アドバイスとしてはあまりよろしくないと自覚しつつもやはり言いたくなる方法。

数学の棚があるような、大きな本屋さんに行って、端から眺めていく。で、面白そうだと感じたら中の適当な1ページをじっくり読む。それを繰り返して、気に入った本を買う。ゆっくり読む。その繰り返し。

結城はよく「数学の本を紹介してほしい」と言われて、この「本屋さんに行って本を順番に見ていく」という方法を話します。「結城メルマガ」にも書いたのですが、この方法は不親切な点があります。ファッションのことがわからない人に「服屋さんにいって端から服を見ていく」というアドバイス。でも、

でもやっぱり「自分が、本屋さんや図書館の数学の棚のところに行って、たくさんの本の前に立つ」というのは大事なことです。ベストな本を選ぶのが目的ではなく、自分がわかる本があれば、わからない本もある。おもしろそうなものもあれば、つまらなそうなものもある。それを見るのは大事では。

少し話はそれますが「本をすべて理解しよう」という心がけは悪くはないのですが、「本をすべて理解しなければだめ」という心がけは十分注意した方がいいです。すべて理解しなくちゃだめというのはとてもコスパ(時間に対する進捗)がよくない(ことがある)からです。

人から話を聞いて話のすべてを理解するのが困難であるのと同じように、本を読んだときには「よくわかる!」「あんまりわかんない」「ぜんぜんわからん」が混ざっているのが普通だと思うんですよ。ぜんぜんわからないけど魅力的な本もあるし、よくわかるけどつまらない本もある。

特によくないと思うのは、本の途中で引っ掛かって、その後ぜんぶ読まないという態度。これはよくない(もったいない)と思います。ぜんぶ読んだけど、わからないところがあったからこの本はだめ、と考えるのもどうよと思います。

結城が好きなのは、おもしろそうで、魅力的で、でも自分には難しい本。難しいけれどぜんぶわからないわけじゃなくて、ところどころ「あ、これはわかる!」と思う箇所がある本ですね。そういう本を時間を置いて繰り返し読むのが好き。

繰り返し読んでいると、自分がわかるところが少しずつ増えていくじゃないですか。一冊の本なのにものすごく楽しめる。お金の話じゃないけれど、このくらいコスパがいい娯楽はないと思うくらい。繰り返し読める本の場合は、本の値段ってすごく安いと思います。

結城の場合、それにぴったりあったのがクヌース先生の『コンピュータの数学』という本でした。離散数学の本で、理解できる箇所はまだ少ないんだけど、1993年に購入してから、もう25年目。繰り返し読んでいます。この本に出会ってなかったら『数学ガール』は書けなかったですね。

『コンピュータの数学』はこれですね。驚くべきことに版元品切れのようですけれど…
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4320026683/hyuki-22/

原書はこちらです。Concrete Mathematics
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0201558025/hyuki-22/

Knuth先生のTAOCP(The Art of Computer Programming)のシリーズも同じ意味があります。魅力的で、おもしろそうで、あちこち理解できるけれど、全部理解できるわけじゃない。でも繰り返し読むのに耐えて… https://twitter.com/i/web/status/951601817103691779

そして願わくは、結城も、繰り返し読みに耐える本を書きたいと思います。繰り返し読みたくなる魅力と、読むたびに何かしら新しい発見を提示できる本を書きたいと思います。一言でいうならば「長い時を読者といっしょに歩む本」を。

2018-01-11 (Thu) 23:26:36