[rentwi.hyuki.net]

ある方から「大学の数学を、暗記でなく理解するために何をどうすべきか」というご質問をいただきました。私は数学教師ではないので、ずれているかもしれませんが以下のように答えました。

教科書があるなら、それをまず読んで、わかるまで考える。定義は何も見ないで書けるくらいに(丸暗記でなく)理解する。具体例を自分で作ってみる。わからなかったら教師に聞きに行く。1ページに何日もかかることは珍しくありません。その繰り返しで進むのだと思います。

たとえばこちらのページが参考になると紹介しました。
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~yasuyuki/sem.htm

結城は数学の教師ではなく、一介の数学愛好者です。しかもあまり難しい数学はわかりません。でも、数学読み物を書くために、自分なりに勉強をします。そのときにはややレベルは落ちるものの、先ほど書いたような勉強をすることになります。

具体的には信頼のできる教科書を読み、そこに書かれていることを理解し、自分で例を作ったり(例示は理解の試金石)、問題を作って解いたりします。テトラちゃんが「学んだことから自然に出てくる質問」をしてくるので、それに答えようと試みます。

理解を確かめるために、リサ(ちゃん)と一緒にプログラムを書くこともありますし、図を作ることもあります。中学生のユーリにもすっと理解できるやさしい説明も考えます。何も見ずに白い紙を広げて、そこに自分が理解したことを「そら」で書いてみることもあります。

数学を志す人ならば、そのような試みを日常的に繰り返し、未知の分野や未開拓の領域まで進んで行くのでしょうけれど、結城はそこまではできませんので、できる範囲で進みます。

できる範囲で進んだとしても、数学は豊かな喜びをたくさん与えてくれます。一見やさしそうに見える問題にも深い真理やからくりが隠されていたり、きちんと説明を試みる中で、自分のあやふやな理解を発見したり。毎週のWeb連載や、書籍執筆は学びの場であり、豊かな人生の楽しみの場でもあります。

学ぶ上でとても大切なのは「わかったふりをしない」ということです。わかったと勘違いすることはよくありますが、それではなく、自分はわかっていないのをうすうす感じながら自分をごまかすことは大敵です。わからないところには「わからない」印を置いていて構わない。自分をごまかさないことが大切。

数学愛好者としての結城は、以上のようなことを、数学読み物を通して書き表しているつもりです。結城の本の読者さんなら、ここまで書いてきたことが結城の本のあちこちに、より具体的な形で現れていることを知っているでしょう。

数学に限らず、学ぶことは楽しいことです。やさしいか難しいかはそれほど重要ではありません。学ぶことを通して、自分にとっての驚きや喜びや美しさを見出す。自分をごまかさず、わかったふりをしないとき、大きな感動を得ることがしばしばあります。

他人から見れば大したことではないかもしれない。でも、自分が学び、自分が得た感動は、何にも代えがたいものです。それは深い満足に結びついているように思います。結城は本を書いているとき、そのような感動に出会います。そしてその感動を読者さんに伝えたいと強く願っています。

以上、学ぶことに関する連ツイでした。
http://rentwi.textfile.org/?878250132940115968
加筆修正して、そのうちに結城メルマガの読み物にするかもしれません。

2017-06-23 (Fri) 22:55:23