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質問(写像)

「写像がそのように定義しなければいけない理由は何か」という問いには二方向の答えが可能のように思えます。一つは「そのような定義以外はだめなのか」で、もう一つは「そのように定義するとうれしい点は何か」です。(続く)

#結城浩に聞いてみよう
https://ask.hyuki.net/q/20190911210630 https://t.co/5pk2nGiogb

「Xの一つの要素に対してYの要素を複数対応させてはだめなのか」という問いに対しては「そんなことはありません」が答えです。実際、写像よりも一般的な概念として「関係」と呼ばれるものがあります(他にも多種類あります)。そこでは、Xの一つの要素にYの要素が一つ対応するという制約はありません。

「写像」というのは「関係」のうちのごく特殊なもの、といってもいいでしょう。Xの要素には必ずYの要素が対応し、しかもYの要素は一個しか対応しないような関係を、写像と呼んで研究しましょう、という話ですね。

以上が一つ目の方向からの答え。二つ目の方向というのは、そのように写像を定義すると何がうれしいかという問いですが、まあ、うれしいことはいろいろありますね。というのは、たとえば関数は写像の一種ですが、関数はいろいろ便利ですし(雑な説明)。

もともとのご質問では、写像と単射が一瞬混乱なさったとのことですが、単射は写像のうちで特殊なものということになりますね。

数学では、一般的な概念で考えたり、何かを「唯一」にすることで議論を単純化したり、それとともに深く研究する助けとしたりすることはよくあります。

写像と単射の定義を混同するというのは、確かにありそうな話ですが、自分は全射と混同した経験があります。

あなたの質問の方向性をやや推測しながらの回答になりましたが、答えになっているかしら。写像(あるいはその前提となる集合)についての理解を深めるには、嘉田先生の本が読みやすくでいいと思います。

こちらですね。抽象的な話に終始するのではなく、実際に数学や情報科学で使われる場面を想定しているので、勉強するにはとてもいいと思いますよ。オススメです。
https://math.hyuki.net/20180513225240/

私自身は集合の基本的な話は『集合・位相入門』で学びました。
https://math.hyuki.net/20180520222909/

そんなところです。ご質問ありがとうございました。何か参考になる部分があるといいのですが。

質問者からメッセージをいただきました。的を射た回答だったとのこと。よかったです😊

2019-09-11 (Wed) 12:08:29