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質問(偏差値)

ここでいう偏差値というのは、ある試験を受けたときに自分の点数が、全体のどのあたりに位置するかの大雑把な目安を得る数値です。平均点を取ると偏差値は50になります。(続く)

#結城浩に聞いてみよう
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偏差値の定義のその意味については『数学ガールの秘密ノート/やさしい統計』に書きましたので是非読んでください。偏差値の定義をよく理解しないと、人生の大事な判断を誤ることもあります。たとえば偏差値は、どの試験のどんな母集団なのかを考慮しないとなんの意味も持ちません。

偏差値は、その人の何を表すかについて。大雑把にいえば、その試験で他の人と比較したときに良い点が取れたかどうかの一つの目安です(だから、試験と母集団を考慮する必要がある)。でも偏差値だけで試験結果のすべてがわかるわけではありません。

試験では、自分が合格できるかどうかが気になります。それは上位から自分が何人目かに依存します。それを知るための目安にすることが多いでしょう。

偏差値はそのようなものです。その人が試験問題をどの程度解けたかを、特定の試験の、特定の母集団内における一つの数で表したものです。それをどのくらい「その人を表している」と見なすかは、人それぞれでしょう。

「偏差値があなたの将来にどのように影響するか」は、あなたが将来どのような場所に身を置くかによってまったく違うでしょう。

正確には、偏差値が影響を与えるというよりは「偏差値をはじめとする受験のための情報をどのように自分が咀嚼して、自分の志望校選択に活かすのか」が影響を与えるというべきでしょう。

学校選びがどの程度あなたの人生に影響を与えるかは、あなたがどんな人生を送るかによって変わります。たとえば「医者になりたい」となったら医学部に入学するということは必要でしょう。

ものすごく大雑把にしかも馬鹿みたいに素朴にいうと、いい成績を取れば、みんなが入りたがる大学に入れて、みんなが入りたがる会社に入れて、生涯年収を上げることが期待できる…のかもしれませんが、めまいがするほど大雑把な話です。

大人が「偏差値なんてさほど関係がない」や「学歴がすべてではない」といいたくなる気持ちもわかります。実際それは正しいから。でも「さほど」や「すべてではない」という免責ワードが入っているので、正しいからと言って判断の役に立つわけでもありません。

成績が上がらないと気分が落ち込むのは当然です。しかし成績があなたのすべてではないのも当然です。

勉強して学校の試験の点数を上げて良い大学に行くというのは、自分の人生を幸せにするための唯一完全な方法ではありません。しかし、多くの人にとっては、無難に年収を上げる方法に近づくかもしれません。問題は、その方法は「他ならぬ自分にとって真なのか?」の答えは誰も知らないところにあります。

統計を調べれば、どの学校を出ればどの会社に行け、生涯年収がどうなるかはわかるでしょう。それは情報の一つです。ちょうど偏差値が情報の一つであるように。でも大事なのは、その情報から何を判断するかです。

良い会社に行って生涯年収を上げて幸せな人もいるし、同じ会社で仕事が合わず身体を壊す人もいるでしょう。大まかに何をすればどうなるかはわかるとしても、各人にとってどうなるかは誰にも正確なことは言えません。

どうすれば私は幸せになりますか?

の正しい答えは誰も知らないのです。

大人になって振り返ると、あのとき偏差値で一喜一憂したのは意味なかったなあと思うことも多いでしょう。でも「あの試験前に偏差値の意味をよく理解していたならば…」のように後悔する人もいるでしょう。そのような経験をベースに人は語ります。それも情報の一つです。

あなたがどのような価値観を持ち、どのように人生を生きたいと願うかはわたしにはわかりません。おそらくあなた自身もまだわからないでしょう。人生を過ごしていくうちに「私はこのようなことに幸せを感じるのだ」と少しずつわかっていくのですから。

試験の成績や偏差値は大事ですし、高くしようとするのは悪いことではありません。でもそれで必要以上に劣等感を感じたり、自分を貶めたりするのは間違いです。それはとてももったいないことです。

そろそろ話を終えますが、人生は大変ダイナミックなものです。固定的に考えるのではなく、自分を大切にしていただきたいと願います。

あなたの人生が豊かなもので満たされるように祈っています。

偏差値についてはこちらをどうぞ😊
https://twitter.com/hyuki/status/1088196758289580032?s=21

2019-01-24 (Thu) 06:16:45