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「表現」を意識したきっかけは、マンガの吹き出しである。吹き出し💬の尻尾はどうなっているか。子供が描くと、口にくっつける。エクトプラズム吹き出しになる。でも漫画をよく観察すると、尻尾は話者を指しているだけだ。ここから二つを学ぶ。読者に示すのが大事。描かれたものをよく見るのが大事。

最近のマンガの吹き出し💬には半透明のものがありますよね。あれを初めて見たときはなるほど、と思いました。あと、言葉では説明しにくいけど内向きの尻尾がある吹き出し。そのコマにいない人のセリフや、順序制御が困難な時に使われる。

「読者に伝わるならなんでもあり」というのは創作技法の一つです。

江國香織さんの小説『東京タワー』を読んでいて技法的に感動したことが一つ。登場人物が、対話中に回顧シーンに入り、そこでも対話を行う。なのにテキストには区切りがまったくなく、どこからどこまでが現在で、どこからどこまでが回想か区別がない。なのに、文章を読んでいて区切りがわかる。すごい。

対話中に、人物が他人との対話を思い返す様子がよくわかる。そして私たちが普段意識している心の動きをうまく表している。ほら、誰かと話していて、昔の対話を思い出すことってありますよね。それが表現されている。言葉ってすごい。作家ってすごい。
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2016-11-05 (Sat) 12:15:17