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私は親に恵まれたせいか世の中に親子関係で大変なご苦労をしている人がいることになかなか気がつかなかった。大学に入ったあたりから自分がものすごく恵まれた親子関係で過ごしたことが少しずつわかった。世の中には信じられないくらいとんでもない親がいる。もう何というかとんでもない親が。

親との信頼関係が築けなかった人の中には全ての権威にアンチの姿勢をとる人がいることも大学時代に知った。自分に指示する存在は全て悪としか思えない人のことだ。理性的に考えればそんなことはないのだが理屈ではなく身体でそうとしか思えない。これはかなりつらい。教師を信頼できなくなるからだ。

さらにつらいのはロールモデルとしての親が信頼できないために自分が親としてどうしていいかわからないという人もいた。気がつくと自分が親からされたことを子どもにしてしまう。自分が言ってはならないと思っていることやしてはならないと思っていることをなぜかしてしまう。それで悩む人もいた。

教科書的な解決策は私も知っている。イメージの上で親を殺し、イメージの上で親替えをすることが一つ。そしてその上で親を赦すこと。それが最善の策なのだけれど、最難関な策でもある。殺せないから殺せないわけだし、赦せないから赦せないわけだ。つまりは親と自分が深いレベルで絡み合っているのだ。

それからまたその問題を手っ取り早く解決していいのかという話もある。自分の中の親との関係をごっそり抜き出して生きていけるかという話だ。レゴブロックみたいに人間関係や自分のよって立つものをバラバラにして組み替えるわけにはいかないのだ。

皮肉なことにその組み替えのチャンスは人生の動乱期にある。恋愛して結婚とか、家を出て自活とか、子供ができる孫ができる親が死ぬといった人間関係の大きな変化のときだ。大きなストレスがかかるけれど、そのタイミングでべつの次元に乗り換える人はよくいる。

2016-09-24 (Sat) 14:25:19